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古民家再生、土壁をつくる

9月が終わってしまうことに気持ちが追いつかない。まりこです。

 

9月もあらゆる古民家改修作業をしたのですが

目玉作業「土壁をつくる」をしました。

 

このことをお知り合いに話したら

「行政がやる文化財保護の活動として聞いたことがあったけど、やる人いるんだね・・・」

と言われました。なるほど、レアな作業だったのか・・・。

 

ややニッチな世界ですが、せっかくなので綴っておこうと思います。

 

 

木舞壁の写真
数ヶ月前に掻いた木舞壁。左官さんに教わる。

土壁。耳馴染みがない方も多いのではないでしょうか。

 

土壁とは!

まず、壁となる場所に竹を組んで骨となる土台(木舞壁と言う)をつくります。

 そこへ、土に藁などを混ぜて発酵させ水で練ったものを

塗って壁にしたものが、土壁です。

 

発酵させる、っていうのがすごいですよね〜〜〜〜〜

古民家改修しながら思うのは、

古民家暮らし=微生物と共に暮らす

と言い換えられるくらい、微生物が多い(家が生命体のよう)のではということです。

発酵で有名な小倉ヒラクさんが、食の観点から発酵ツーリズムほくりくをあわら市で開催中ですが、「古民家と発酵(or微生物)」も相当深いテーマな気がしてます。

話が横にそれやした。

 

 

木舞壁づくりも左官さんに教わりながらやってみました!

 

左官さんも5年ぶりに発注を受けたそうで、

最後の現場かもしれないなぁ〜と呟いておられました。

そして、壁土づくりです。

 

まず古い壁土を集めます!

というのも、新しく壁土をつくるより

古民家の壁土をリユースした方が、強度が高いそうです。ふむふむ。

 

この古民家の土壁と、他のお家の要らない土壁を頂きました。

この土壁・・・実は重い。

思い返すと、他のお家の土壁を自分らの古民家まで運ぶ作業が1番大変だったなと思います笑

 

 

次に、古い壁土がかっちこちなので、古い壁土と水を混ぜて

足で踏んで練り練りします!

 

壁土と水を混ぜる写真
壁土と水。炎天下での作用、大量の汗〜〜〜〜〜
壁土と水を混ぜるために踏む写真
ひたすら踏むアチキ

こうして蘇らせた壁土に、左官さんが藁を少量投入。

 

そして、ついに塗ります!

土壁を塗ってる写真。
藁が入ってるからか、ほんのり香る納豆臭と古い土のかほりミックス。

左官さんの指導のもと、塗っていきます。

 

が、意外と難しい・・・!

 

「塗るのではなく、押す」のがポイント。

力を入れて土を木舞壁に押し付けます。

左官さんも、1日この仕事をすると

次の日は肩があがらないそうです(びっくり)。

 

 

 

 

←横の木の上が左官さんの塗ったあと。

下が私が塗ってる途中。

写真で見ると伝わりにくいですが

差は歴然。

 

左官さんのは、隅までぴしっと塗ってあり

表面も平になっています。

 

私がやると

隅まで塗るのはなかなか難しいし

何より平にならない!!!でこぼこな表面に仕上がりました。

 

「でこぼこになっちゃいました・・・」と言う私に

「それも味です!」と返す左官さん。

 

あゝなんて優しい世界・・・。

 

 

 

 

片面だけ塗った土壁
片面だけ塗った土壁

こうして塗られた土壁は、反対側にむにゅっと出ます。

 

これ、ちゃんと出てる=ちゃんと押せてるということなので

むにゅっとしてることがポイントなのだそう。

 

このむにゅ達をどうするかと言いますと

竹に絡ませるように少し上に引き伸ばします。

 

押してしまうと、塗った面がぼこっと出てしまうので

押さずに引き延ばすのがポイントです。

 

 

こうして1週間くらい乾かします。

1週間後に、この反対側を塗り塗りします。

反対側の壁土を塗ってる写真
反対側を塗る。壁土をずっと持つ手(左手)がやられる。

1週間後。

 

土壁は乾いて縮んでました。

塗る前に噴射機で濡らしてから塗ります。

 

乾いてるところに濡れてるものをくっつけると取れてしまうそうです。(左官さんがわかりやすい例えをしてくれたのに忘れました泣)

 

 

この時は、遊びに来てくれてたお友達と一緒に!

 

 

子どもの写真
子どもの写真

お手伝いに来てくれた子どもが

近くに生えてたヤマゴボウを埋め込む。

 

唯一無二の土壁が出来上がったのであります。

 

 

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「新しくつくるよりも、もとからあるものにいかに使うか」

 

私が古民家改修に関わる中で何回か聞いた言葉です。

最近建築界隈では、そういう価値がメインストリームになりつつあるそうな。

 

土壁づくりに使ったものは

竹、藁紐、土、藁、水...ほとんどが池田町近辺で手に入るものです。

昔の人は身の回りのものから家をつくっていたのだなぁとしみじみ。

池田町の古民家に、池田町付近のもので命を吹き込む。そんな可能性がみえた体験だったなと思います。

 

土壁は、地震があっても揺れを柔軟に受け流すので耐震性もある、とか

いろんなことが言われており

私も土壁について知らないことが多いですが、

素人ながら体験報告をさせてもらいました!

 

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございました:)

 

 


まりこ

(本名 川上真理子)

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大都市で24年間をTO DO(したいこと)ファーストで

生きてきて、大学3年の時に自分の在り方の大切さ

に気づく。

 

ご縁がありたまたま出会った池田町での

素朴で等身大な人や自然に惹き付けられ

大学院卒業後、新卒無職で池田に移住。居候ちう。

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現在の活動はこちら👇

 

●池田町見習い人(めざせ何でも屋)

●一般社団法人の立ち上げ手伝い

 

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好きな食べ物)ちんころいも※池田町限定
現在、畑仕事や古民家改修により筋肉強化中。