· 

池田町最新注目スポット!「たたら製鉄」の操業を見学してきました

こんにちは。

池田町在住歴2年半、シバタチカです。

まだまだ知らない池田町のモノヒトコト、見つけてレポートしていきます!

 

日付をさかのぼること約1か月・・・春の兆しの見え始めた2月16日、

池田町で新しくたたら製鉄工房を開所される原義樹さん(以下、原さん)が試験操業を行うということで、見学と体験をさせていただきました!

たたら

たたら製鉄とは、日本に古代から伝わる製鉄法。映画「もののけ姫」に登場したことでも有名です。

原さんは、長年武道をされており、ご自身の手で自分の日本刀を作り出したい…!という想いで、この製鉄工房を整備されました。

今では珍しくなってしまったたたら製鉄を一目見たいと、この日は大勢のギャラリーが駆けつけました。

 

集合時刻ぴったりに行ってみると、すでに煙がモクモク。

なんと前日から炉の余熱を開始していたそうです。

鉄を能率よく取り出すためには、それほどまでの高温が必要。

しし汁をいただきながらしばらく見ていると・・・炉の上部から勢いよく炎が上がりました。

火の粉が舞い上がる

火の粉が舞い、見とれる美しさ…!圧巻の迫力!!!

見学者からも思わず歓声が漏れます。

 

マツの木を焼いて作った炭。原さんご自身で焼かれたもの。
マツの木を焼いて作った炭。原さんご自身で焼かれたもの。

 

余熱の最終段階では、この量の炭を4分ごとに炉内に投入します。沢山の炭が必要であることが分かります。

かつて炭焼きが山間地の生業として重要であったことも納得。

 

機械で空気を送り込み、どんどん燃やします。

昔は、風を送り込む「ふいご」と呼ばれる装置が使われたそう。(映画「もののけ姫」のたたら場のシーンで、女性たちが踏んでいるのが「ふいご」。)

最終的には、炉内の温度を、約1300℃以上に持っていかなければなりません。

想像できる域をはるかに超える高温・・・!

 

燃え方が安定したら、いよいよ炉の中に砂鉄を注ぎ入れる工程へ!

これが砂鉄です。
これが砂鉄です。

 

砂鉄も原さんがご自身で集められたもの。

磁石を使って地道に集めるそうです!
磁石を使って地道に集めるそうです!

 

その貴重な砂鉄を入れる作業を、見学者全員体験させていただきました。

炉の上部から砂鉄を入れ、その上からすぐに炭を投入。これを4分ごとに繰り返します。

炭とともに炉の中を通る中で、鉄が還元され、純度の高い状態となって下に落ちて固まるという仕組み。

炭を投入しているところ。火の粉が上がる炎をこんなに間近で見たのは初めて!
炭を投入しているところ。火の粉が上がる炎をこんなに間近で見たのは初めて!

 

鉄をうまく取り出すためには、鉄が炉の中央を落ちるよう、真ん中に砂鉄を注ぎ入れることが大切とのこと。

これがなかなか難しく、緊張の一瞬です。

 

炉の下部で鉄を受け止める役割をするのが、粘土。

今回は池田町の粘土を使用したそうです。

粘土の質にも様々な要素が関係しており、研究が必要とのこと。
粘土の質にも様々な要素が関係しており、研究が必要とのこと。

 

離れたところで見ていても汗ばむほどの温度の中、同じ作業を約40回(所用により途中で退席。無念)。

粘土の中に鉄の塊ができているかどうか・・・は、翌日に開けてみるまで分かりません。

 

~そして翌朝。この日もすでに多くのギャラリー~

ドキドキの瞬間。
ドキドキの瞬間。

 

私「どうでしょう?」

原さん「今回、途中で操業中止になっちゃったからね~。大きな塊は取れないと思います。」

色々な要因が絡んで、最後までうまく操業できなかったとのことでした。

粘土

しかし、粘土を砕いていくと、何とも言えないきれいな色に光る鉄の塊がいくつも出てきました!!

ころんと小さく丸く固まったものは、安産のお守りとされているそうです。
ころんと小さく丸く固まったものは、安産のお守りとされているそうです。

 

美しい!これが鉄の塊です。

 

このあと、この鉄が日本刀になるまでにはいくつもの工程があるようで、なかなか奥が深いです。

夢の一歩を踏み出した原さん、とってもかっこよかったです!

 

一緒に見学させていただいた方々からも、昔は池田町にも各集落に1軒以上は鍛冶屋さんがあったことや、

何でも自分たちで作り出したり修理したり、色んな道具を使っていたことなど、

貴重なお話を聞くことができ、とても面白かったです。

 

今後の見学可能な操業スケジュールについては、随時原さんのFacebook等で告知があるそうです!

池田町の最新注目スポット、いちはやくお届けいたしました~!