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最後まで自社で作る。「手作り家具工房かんな」さんのお仕事。

こんにちは。

池田町在住歴2年半、シバタチカです。

まだまだ知らない池田町のモノヒトコト、見つけてレポートしていきます!

 

今回は、池田町の北端、福井市との境目近くに佇む「手作り家具工房かんな」さんを訪ねました!

 木工家具職人の谷崎寛和(ひろかず)さん(以下、谷崎さん)。 「かんな」という屋号は、「寛和」の音読みにも由来します。
木工家具職人の谷崎寛和(ひろかず)さん(以下、谷崎さん)。 「かんな」という屋号は、「寛和」の音読みにも由来します。

ここでは、テーブルや椅子といった家具から、玩具やフォトフレームといった小物、そして指輪にいたるまで、あらゆる木製品を主にオーダーメイドで製作されています。

この日は、依頼を受けた幅木の加工をされているところでした。

木材

このあと、塗装をしてから、引き渡すそうです。

塗装は塗装屋さんに外注することもできるそうなのですが、谷崎さんは出来る限り最後までの全工程を自身の手で仕上げています。

そこには、引き受けた仕事に対する責任感が強く感じられました。

 

これまでに製作された木製品を見せていただくと、ここで作れないものはないのではないか?と思えるほど、ありとあらゆる要望に応えてこられたことが分かります。

例えば…

ハートに剣が刺さった形の、ウェディング用立体ウェルカムボード!(依頼者のスケッチを立体再現!)

ピースマークの入った木の指輪!(ピースマークは樹種の違う木を細かく組み合わせることで作り出したそう!)

切り株の形の手鏡!(アーティスティック!) ブタの姿をした置き時計(欲しい!)

ここはまさに、木が生まれ変わる場所なんだな、と思いました。

木の指輪
木の指輪
池田町の観光名所かずら橋をモチーフにしたスマートフォンスタンド
池田町の観光名所かずら橋をモチーフにしたスマートフォンスタンド
お子さんが夢中で遊んじゃいそうなクルマ
お子さんが夢中で遊んじゃいそうなクルマ
加工される前の板状の木材。谷崎さんの手にかかれば、変幻自在!
加工される前の板状の木材。谷崎さんの手にかかれば、変幻自在!

 

複雑な形、わずかなカーブの曲線、使い手に配慮した大小様々な加工。それを実現しているのが、ところ狭しと並んだ道具たち。

 

そして、どんなニーズにも全力で応える職人魂でした。

大きくて分厚い職人の手。
大きくて分厚い職人の手。

 

おひとりで、時には夜遅くまで工房にこもることもある谷崎さん。

8年前に独立されてから、一度もスタッフを雇ったことはありません。

時間やコストよりも、納得できる丁寧な仕事を優先したいという想いがあります。

細部までしっかりと作られていることが口コミで広がり、大々的な広告や宣伝をしていないにも関わらず、次々に依頼が舞い込みます。

これまでに手掛けた製品の型がずらりと吊り下げられています。再度の依頼に速やかに対応するため。
これまでに手掛けた製品の型がずらりと吊り下げられています。再度の依頼に速やかに対応するため。

 

そんな谷崎さんにとって、木工とはどういったものなのでしょうか。

木工の現場に初めて出会ったのは27歳のとき。ここ池田町を訪れたことがきっかけでした。

池田町の風景

 

東京都出身の谷崎さん。旧美山町に叔父さんが住んでいたため、学生時代から福井には何度か滞在を繰り返していました。

山に囲まれ、自給自足に近い暮らしを営む叔父さん。一方で、東京で見る大量生産・大量消費の社会。

谷崎さんは、そのどちらにも、しっくり来ることはありませんでした。

大学卒業後、企業には就職をせず、手に職をつけたいという想いを持ち全国を旅して回ります。

しかし、納得できるものはなかなか見つかりませんでした。

そんな中、再び叔父さんいる旧美山町へ立ち寄った際、たまたま訪れた池田町で、「木の里工房」を見つけます。

そして、初めて訪問したその日に、「ここで働きたいです」と申し込んだそう。

池田町との出会いが、木工との運命の出会いでした。

薪ストーブ

 

池田町での生活を、木工ばかりに費やしてきた、と振り返る谷崎さん。

池田町で過ごしてきた歳月は、すなわち木工職人として仕事に打ち込んできた時間なのです。

 

かんな店内

自分だけのとっておきの木製品、ぜひオーダーしてみてください!


 【手作り家具工房かんなDATA】

福井県今立郡池田町松ケ谷15-14

TEL.0778-44-7370、090-8262-7613(工房不在の場合は携帯電話にご連絡ください)

不定休

営業時間 10:00~17:00